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これまでは山林に放置されていて十分に再利用されていなかった間伐材について、再利用方法や再利用事例を紹介します。
間伐とは、森林を健全な状態に保つために行なう抜き伐りで、間伐する木自体に問題があるわけではありません。抜き伐った木のなかで良質なものは無垢の建築材として利用されます。そこに該当しない木でも、小片にカットして改めて集成材として加工されて、木材として再利用されるケースもあります。
建築材や梱包材といった製材としての利用量は、2016年時点で295万㎥。現状ではもっとも多いですが、木材チップ・おがくずなどの原材料として再利用する方法が年々増えており、251万㎥まで伸びてきています。
参照元:林野庁(http://www.rinya.maff.go.jp/j/kanbatu/suisin/zyokyou.html)
木材を一度小さいサイズに加工、つまり「チップ化」したものを再び固めてできるのが、パーティクルボードです。好きなサイズのボードを作れるだけでなく、チップを固める具合を調整することで、密度を自由自在に変化させられます。
間伐材の欠点ともいえる「サイズがまちまちで加工しづらい」という特徴を逆手にとった、上手い再利用方法だといえます。パーティクルボードは、主に家具・家電・建材の一部分として利用されています。
間伐材など、主に樹皮の部分を繊維のレベルまで細かく加工した再利用素材を用いて、ファイバーボードを作ることができます。粉状にした樹皮を、パーティクルボードを作る手順と同様に、圧縮して固めて作るため、サイズや強度を思い通りの調整が可能です。
圧縮する度合いを低くすると、ボードというよりはふかふかの素材ができあがります。この素材がもつ特性を生かし、断熱材や防音材として利用も可能。さらに、湿度を調整する性質もあるため、カビや結露が生じにくくなるのがうれしいポイントです。ファイバーボードは、断熱材・防音材として活躍する住宅用建材として、非常に高性能だといえます。
バイオマス燃料の一つであるペレット(粉砕した木材を固めたもの)などの燃料は、廃材などを再利用したものが、これまでの主流でした。しかし近年では、森林からの伐出作業の機械化・効率化が進んでいるため、コストの軽減が可能となりつつあります。そのため、今後は間伐材をバイオマス燃料として利用する割合が増える状況が見込まれています。
また、ペレットも化石燃料などと同様、燃焼中にCO2を発生させますが、これはもともと木が吸収したCO2を大気に戻している形になります。つまり、化石燃料などと異なり、大気中のCO2 濃度を増やすことはありません。プラスマイナスゼロ、つまり、待機中のCO2を循環させているに過ぎないのです。カーボンニュートラルの性質をもつペレットのようなバイオマス燃料は、自然にダメージを与えない、エコな燃料だといえます。
現在、木質バイオマスの活用で、熱利用や発電といった再エネルギー化が行われています。これから、間伐材がコストなどの面で今よりももっと利用しやすくなれば、化石燃料からの転換を図る企業や自治体のさらなる増加が見込まれます。
木炭としても再利用され、大いに活躍する間伐材。木炭には、イメージ以上にさまざまな用途があります。木炭の用途としてまず思い浮かべるのが、「アウトドアなどで火を起こしたいときに使う燃料」という人も多いのではないでしょうか。夏場など、キャンプでバーベキューをしたいと思いたったら、ホームセンターなどで木炭を購入しますね。現状は取り扱われているのは、圧倒的に輸入品が多いのが現状です。けれども、インターネットで探すと、国産の間伐材を再利用した木炭も販売されていることがわかります。
また、木炭がもつ湿度調整や消臭などの特性を生かした製品もいくつか見受けられます。さらに、水質や土壌の改善にも役立つことを考えると、木炭はきわめて有効な「リサイクル製品」なのです。
子どもが工作に使う粘土、少しユニークな木のはがき、あるいはビジネス用の名刺・はがき・封筒などにも、さまざまなリサイクル製品がみられます。どのような形で利用されているか、今あげた例について少しずつ紹介します。
まずは粘土です。鉛筆を削ると出るおがくずを加工した再利用素材とのりで、粘土が作れます。体に害を与える可能性が低くいので、子ども用の粘土としてピッタリです。また、間伐材を利用した文房具を製造している会社もあります。たとえば、0.5mmの木でできているはがき。送り手も受け手も、何だか楽しめそうです。このようなかわいらしい文房具がネット上で販売されているので、興味がある人は要チェックです。また、ビジネスシーンで役立つ名刺や封筒などのアイテムも、間伐材を再利用したパルプから作られている製品がいくつかみられます。
ちなみに、間伐材を利用した商品には「間伐材マーク」がついています。自然に優しい素材を利用していることが伝わるため、企業のイメージアップにつながるかもしれません。
最近、ペット用品でも間伐材が活躍しています。ペット用品のひとつである猫トイレ。かつては猫砂のタイプが主流でした。近頃では、猫砂よりも強い消臭効果の高いと言われている「猫用システムトイレ」が多くの支持を集めつつあります。針葉樹の間伐材を加工した再利用素材で製造したチップとマットが使われている商品です。消耗品のため、コストがやや高くなってはしまいますが、針葉樹の消臭効果はとても優れています。
現在のところ、大手メーカーが出している「猫用システムトイレ」に使用されている間伐材は、ほとんどが外国産のものです。しかし、猫トイレチップ製品の研究開発を行っている国内の林業組合も少しずつ増えているようですので、今後は再利用の方法の一つとして検討してみても良いかもしれません。
木材に由来するリサイクル資源のなかでも、未利用間伐材は約2,000万㎥ものボリュームがあり、その大半が未使用のまま。建設発生木材や製材工場等残材は半分以下の量で大半が再利用されているのと比べると、未利用間伐材には再利用の大きな余地があったわけです。
2012年の再生可能エネルギー固定価格買取制度で、未利用間伐材は買取価格が33.6円/kWhと他より高く設定され、収集・運搬費用がペイするようになりました。以降、グリーン発電会津をはじめ間伐材を使った木質バイオマス発電施設が全国各地で計画・稼働されています。
バイオマス導入の経緯
活用している木の燃料
導入の成果
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岡山県真庭市は面積の80%ほどが森林で構成され、地元のヒノキは木材として定評があり、30社近い木材加工業者も活動をしています。そうした背景もあって、森林には大量の間伐材があり、木材加工業者からは端材が出てくるなど、バイオマス燃料を有効活用できる要件は整っていました。
真庭バイオマス発電所の発電がスタートしたのは、2015年4月。年間の発電量は7,920万kWhで、一般家庭の使用量に割り当てると22,000世帯分に相当します。地元の真庭市は総世帯数が18,000世帯前後なので、充分におつりがくるほどの発電量を達成しているわけです。年間の売電収入は、約23億円にものぼります。
発電所は地元スタッフ15人で運営されていて、雇用を創出しつつ人件費は地元に還元。バイオマス燃料の原材料仕入も含めて、地域に貢献している事例です。
参照元:自然エネルギー財団(https://www.renewable-ei.org/activities/column/20170620.html)
バイオマス導入の経緯
活用している木の燃料
導入の成果
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青森県平川市で2015年に始まった津軽バイオマスエナジー平川発電所のバイオマス発電事業は、地元津軽エリアの間伐材やリンゴの木の剪定枝などを再利用している施設。こうした廃材はこれまでも製紙パルプとしてリサイクルしていたものの、流通価格が安価になってしまうことが課題でした。
発電所には、燃料チップの製造工場や原材料となる間伐材などをストックしておく貯木場があります。発電に利用する木材は、間伐材が年間5万9,000t、リンゴの剪定枝が1万t、製材所から出る端材が3,000tで、合計7万2,000t。発電所での間伐材使用量は津軽エリアで出てくる量の1/2程度で、安定した燃料確保~発電のサイクルを確立できています。
2017年度の発電量は5,120kwhに達し、事業費の約27億円は15年で回収できる見込みだそうです。
バイオマス発電の温水も利用しており、重油換算で年間200万円以上の光熱費を節約。地元では林業なども含めた周辺ビジネスの雇用が増え、蒸気をミニトマトのビニールハウスに活用するなど複合的な波及効果を生み出しています。
参照元:自然エネルギー財団(https://www.renewable-ei.org/activities/column/20180807.html)
バイオマス導入の経緯
活用している木の燃料
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2018年から営業運転をスタートした、群馬県前橋市の前橋バイオマス発電について紹介します。この発電所が燃料として使っているのは、群馬県内の未利用間伐材です。
前橋バイオマス発電は、東京電力の関連会社で設備工事を手掛ける関電工と、栃木県に本社を持つ製材業者トーセンとの出資によるもの。関電工にとっても、この事業は最初のバイオマス発電所となっています。
燃料として使用する木質チップは年間あたり8万tの計画で、地元の森林組合などから調達する未利用間伐材や、木材加工などに伴う端材などに充てられます。発電量は一般家庭で8,700世帯に相当する年間消費電力量(4,300万kwh)を生み出し、再生可能エネルギー固定価格買取制度による売電を行なっています。
参照元:スマートジャパン(https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1805/01/news016.html)
間伐材を利用しようにも、供給量と運搬コストに悩むケースは少なくないでしょう。コスト縮減の方法として、自走式木材破砕機を購入するというのもひとつの手です。
木・枝葉、建築廃材などの木材に加え、竹や草まであらゆるものを破砕可能するという優れた機械。細かく粉砕されるので、運搬の手間もコストも減らせます。
ランニングコストを鑑みながら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
間伐材の未利用材が多いのは、運搬コストが割に合わないという点が大きく影響しています。そのコストの検討はもちろん大事ですが、それを補って余りあるメリットを有しているのが木質バイオマスです。
未利用材の活性化、コスト削減、二酸化炭素の抑制、地域活性化…。導入事例からもわかるとおり、さまざまなメリットがあるのです。
とはいえ、間伐材を燃やすボイラーは、枝や葉に対応していないというケースも多く、そこの分別に時間とコストがかかってしまうことが課題としてあります。しかし、そうした煩わしさが一切なく、すべての木質を燃やすことができるプラントがあります。それを開発したのが、バイオマスエナジー社です。
木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社
木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。
そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。