木質バイオマスの燃料

こちらでは、木質バイオマスに用いられる燃料について焦点を当て、その種類や形態、品質規格やエネルギー効率などについての情報を取りまとめてご紹介していきたいと思います。

木質バイオマスは、間引きされる間伐材や、木材加工の過程で排出される削りカスや木屑など、これまでは廃棄されていた木質を燃料として有効活用しようとするものです。

その一方で、実は木ならなんでもいいというものではなく、木質バイオマスの燃料とするには、適したものとそうでないものがあります。また、それに関連して、木質バイオマスに用いられるボイラーによってスペックはさまざま。

適した燃料を用いれば、スペックどおりのエネルギーを発生させられる反面、不適な燃料だと、エネルギー効率が低下、最悪の場合ボイラーが停止してしまうというケースもあります。この点はバイオマスの導入を考える際、見逃してはならないポイントです。

木質バイオマスの燃料の形態

木質バイオマスに用いられる燃料としては、薪やチップ、ペレットといった形態が代表格になります。ただしこれらは、仮に樹種が同じだとしても、形状や含有水分などがバラバラな場合がほとんど。同じ条件で燃料に用いても、必要なエネルギーを発生できるかどうかは、やってみないとわからないのです。

また、木質バイオマス燃料は大きくわけると、間伐材や木材の切り出しの際に切り落とされる枝などの森林から直接産出するもの、木材加工の際に発生する端材や木屑、そして老朽化した木造建築物を解体した際などに生まれる産業廃棄物由来のものがあります。

燃料用木質の品質規格

バイオマスの燃料として用いられる木質において、もっとも考慮しなければならないのが、その木質の水分含有量です。言うまでもなく、含有水分が多い木質ほど燃えにくくなる(水分を蒸発させるために余計なエネルギーが必要になる)ということになります。

どの程度の水分を許容できるかは、ボイラーのスペックや炉の規模によって左右され、一般的には小規模なものほど水分が少ない木質を用いる必要があるというのが、傾向です。では、主な木質燃料の種類ごとに、それぞれの特徴を見て行きましょう。

先の東日本大震災によるインフラの不備をきっかけに、電気・ガス・石油のいずれも不要な暖房器具や給湯装置として、薪ストーブやボイラーが見直されています。

それゆえ、重要になってくるのが、先にも述べた水分の含有量です。加工コストは少なくて済むぶん、燃料として使用するには、十分に乾燥できるか、乾燥させるシステムが利用できるかが、鍵となってきます。

もうひとつ、後述するチップやペレットと比べるとかさばり、輸送のコストや手間暇も多くかかるため、広域に流通させるのには適しておらず、地産地消が基本となります。

チップ

簡単に言えば木材を細かくしたものですが、大きく分けると切削チップと破砕チップがあります。また、切削チップには、大きな円盤状のカッターで作られるディクス式と、円筒状容器の中で切削されるドラム式、複数の軸に刃を取り付けて互い違いの方向に回転させ、シュレッダーのように切削するせん断式があります。破砕チップにはドラム式の要領で、カッター刃ではなくハンマーで粉砕する粉砕ドラム式がメインとなっています。

薪と同じく、含有水分の量は、燃焼効率やエネルギーの発生量を大きく左右するため、重要な品質基準となっています。もうひとつ、チップならではの注意すべきポイントがサイズ。多くのチップボイラーでは、チップの投入量が重量ではなく体積を単位としているため、なるべく均一のサイズとなっているのが望ましいとされています。たとえば、体積の小さなものは、その分早く燃えてしまうため、燃焼効率でマイナスとなってしまう、逆に大きすぎるものは、炉への搬送系統の詰まりなどを起こす要因となるからです。

ペレット

日本語では「固形粒状燃料」とも呼ばれており、その名称が示すとおり、木材を破砕して成形した形状の木質燃料になります。製造には、専用の金型成形機が用いられ、円筒形のペレット成形を行うものをリングダイ、円盤状に成形するものをフラットダイと呼びます。世界的には円筒形のリングダイの普及率が高い反面、日本ではフラットダイの普及率が高くなっています。

ペレットはそもそも、一定以上の水分を含んでいる木材では成形できないため、薪やチップと比べると、水分が低く保たれていると言えます。一方、ペレットで注意しなければならないのが、灰分(燃焼せずに燃えかすとして残ってしまう不純物)です。

日本においては、樹皮を除いた木部で成形される「ホワイトペレット」、樹皮も含まれる「全木ペレット」、樹皮のみで成形した「バークペレット」がありますが、灰分はバーク、全木、ホワイトの順で多くなります。

おが粉

おが粉は、製材を加工するプロセスで生じる残余物です。残余物という文字通り、かつては、くずとしてストーブあるいは銭湯などの燃料など、限定された用途を持っているに過ぎませんでした。粒度も一定ではないため、重宝するのは難しかったようです。しかし、現在では、「おが粉も木材であることにはかわりがない」という認識が強くなっています。そのため、おが粉一粒一粒が持っている木材の特性を生かし、家庭用ストーブの燃料としてだけでなく、畜産敷料や菌床栽培、活性炭など幅ひろく利用されています。成型燃料としての利用もそのひとつです。ペレットの原料にもなっています。

おが粉を乾燥用ボイラーに利用する場合は、製剤工場にあるような、比較的大型の専用ボイラーを選ぶ必要があります。また、おが粉は、木の幹の部分から生じる残余物であるため、土砂などの混入があまりみられないのが特徴です。

樹皮

樹皮とは、樹木の表皮のことです。製材などを加工するプロセスで生じます。水分含有量が55%から60%と高いのが特徴です。そのため、混焼燃料として特別な燃焼炉や火力発電で使用されています。

樹皮は、おが粉などとは異なり、使いどころが難しいな木質を持つものも多くあります。おが粉のように、燃料として用いられない場合に堆肥として転用することも難しいようです。しかし、2011年12月21日付の日本経済新聞の記事で取りあげられているように、スギの樹皮を有効活用することで、バイオマス燃料のエタノールを製造する技術が開発されました。それまで焼却処分するしかなかった樹皮を生かし、混合燃料に活用する道が開かれたのです。

廃材

廃材は、製材や土木、建築、あるいは建築物を解体するプロセスで生じる端材です。そのため、廃材の中には、接着剤や防腐剤、あるいは金属、ゴム、プラスチックなどといった建築資材が付着しているものも多くみられます。あまりにも大量の薬剤処理がされている木材は使用不可能です。また、付着物がボイラーに影響してしまうため、燃焼灰は産業廃棄物として扱われます。ちなみに、建築廃材は、原料の価格があまり上下しません。そのため、いつも低コストで調達することが可能だというメリットがあります。バイオマスにおける懸念材料のひとつである「燃料の安定的調達」を考慮すると、廃材は貴重な燃料であるといえそうです。

廃材は、そのまま燃料として使用される場合と、チップやペレットへと加工されてから使用される場合に分かれます。また、水分含有量は10%から15%と低いのが特徴です。熱供給や発電ボイラーなどの燃料として利用されています。

燃料によるエネルギー効率について

木質バイオマスにおけるエネルギー効率は、熱利用と発電の双方に用いるコージェネレーションとした場合、実に70%以上の高効率が得られるとされています。

一方、木質バイオマスを発電のみに利用した場合、エネルギー効率はわずか20%。木質バイオマスが持つエネルギーの8割を廃熱として捨てることになってしまうそうです。ゆえに、木質バイオマス発電を導入するにあたっては、熱利用の可能性を十分検討し、発電と同時に余熱利用が可能な熱電併給方式とすることが合理的とされています。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。

コスト削減の切り札!?
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