木材を賢くリサイクルする方法 » 木材リサイクル・バイオマスのコラムまとめ » クリーンウッド法とは?リサイクルとの関連性とは?

クリーンウッド法とは?リサイクルとの関連性とは?

合法伐採木材等の流通を促進するクリーンウッド法について、リサイクル材やバイオマス利用を交えながら、目的・適用範囲から実務対応までを詳しくご紹介します。

クリーンウッド法の基本

法律の正式名称と定義

クリーンウッド法は正式には「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」といい、合法的に伐採された木材や木質バイオマスの流通と利用を促進する目的で制定されています。

違法伐採を抑制し、森林資源を適切にリサイクルして持続可能なバイオマス利用を図るため、素材生産販売事業者と木材関連事業者に対して、原材料情報の把握や取引先への確認、デューデリジェンスの実施などを求める仕組みです。

こうした取り組みによって、国内外から調達された丸太から製品化された合板や紙製品に至るまで、全ての段階で合法性が確保され、市場における公正なリサイクル材・バイオマス資源の流通が支えられます。

制定・施行の経緯(2016~2017年、2023年改正と2025年施行)

クリーンウッド法は2016年5月に国会で成立し、翌2017年4月に施行されました。当初は政府調達を通じた違法伐採対策が主眼でしたが、その後、EUや米国の規制強化を受けて2023年に大幅改正が成立し、2025年4月から新体制での運用が始まります。

改正後は、製材所や港湾を含む川上・水際段階の事業者に対する合法性確認義務が強化されるほか、リサイクル用の木質チップやペレットといったバイオマス資源についても情報管理が求められるようになります。こうして、再利用・循環利用の促進と同時に、森林環境の保全がより確実なものとなります。

立法の背景と目的

違法伐採は森林の多面的機能を破壊し、気候変動や生物多様性の喪失を加速させる要因です。こうした環境リスクを低減するため、グリーン購入法など政府主導の調達基準を補完しつつ、合法伐採木材の流通を確立する必要がありました。

クリーンウッド法は、森林資源をリサイクル原料やバイオマス燃料として有効活用する一方で、地球規模での森林保全と持続可能な木材産業の発展を両立させることを主眼としています。

クリーンウッド法の適用範囲

対象となる事業者【素材生産販売事業者/木材関連事業者の区分】

本法ではまず、原木や製材などを扱う「素材生産販売事業者」と、そこから木材製品やバイオマスペレットを加工・輸入・販売する「木材関連事業者」に分けて義務を規定します。

改正後は、特に川上段階や港湾での取引を担う「第1種木材関連事業者」に対して厳格な合法性確認が義務化され、リサイクル用チップやバイオマスペレットの調達先確認も含まれます。第2種事業者は努力義務として情報伝達を行いますが、いずれの事業者も自社の区分を正確に把握し、業務フローに組み込む必要があります。

対象となる物品【丸太・製材・合板・木質パルプ等】

対象物品は丸太や製材、合板、集成材に加えて、木質チップやバイオマスペレット、さらには木質パルプ原料を用いた紙製品まですべてを網羅します。これにより、端材や廃材をリサイクルした木質チップがエネルギー用途のバイオマス燃料として利用される場合も、合法性の確認対象になります。一方で、化粧繊維板や樹脂含浸材は除外されますが、対象外物品の製造過程で使われる合板や集成材は適用内です。

除外対象の例

化粧メラミン板やパーティクルボード、ハニカムコアなど、木材を含むものの含有率が低い複合材は対象外とされています。また、木製エクステリア用品や機能ユニットなども除外されます。ただし、その製造段階で使用される合板や集成材が対象となるため、リサイクル素材として利用される場合は注意が必要です。

事業者の実務における対応ポイント

デューデリジェンスの手順とは?

川上・水際段階の事業者は、取引直前に原産地情報や加工履歴を調査し、違法伐採リスクを評価するデューデリジェンスを義務付けられています。具体的には、伐採国の法令遵守状況やサプライヤーの認証(FSC/PEFCなど)、リサイクルルートの透明性をチェックリストに基づき確認し、リスクレベルに応じて調査の深度を調整します。

リスクが中~高の場合は追加資料取得や現地確認を行い、低リスクと判断できれば取引を継続する流れです。こうしたプロセスを体系化したフローチャートやチェックリストが林野庁の「クリーンウッド・ナビ」で公開されており、実務への定着が図られています。

記録管理と報告フロー構築

合法性確認の結果は、クリーンウッドシステムと呼ばれるWebツールに登録し、一元管理することが義務付けられています。システム上で木材・バイオマス双方の確認結果を入力し、年度報告書を自動生成できる機能が提供されており、内部監査体制と組み合わせることで手続きの効率化とコンプライアンス維持が可能です。

また、木材関連事業者は定期報告のタイミングで報告様式に基づく提出を行い、取り組み状況を主管省庁へ報告する必要があります。

登録制度の進め方

合法性確認体制を整備した木材関連事業者は、林野庁または経済産業省へ登録申請を行い「登録木材関連事業者」として公示されます。申請には誓約書、組織体制図、バイオマス利用方針などの書類を添付し、審査後に登録証が発行されます。登録後は毎年の報告と5年ごとの更新審査が義務付けられ、情報伝達や記録保存状況の確認も継続的に実施されます。

登録事業者にはロゴマークの使用権が与えられ、対外的な信頼性向上にもつながります。

クリーンウッド法とリサイクル

リサイクル材とバイオマスの接点

リサイクル材として回収された木質チップやおが屑は、バイオマス発電や熱利用施設の燃料原料として活用され、CO₂排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルの特徴を持ちます。

クリーンウッド法ではこうしたバイオマス資源も対象に含まれ、情報管理義務が拡大されることで、熱利用やガス化設備への安定供給が一層促進されます。バイオマス活用はリサイクル材の最終段階に位置付けられ、廃棄物ゼロ社会を実現する鍵となります。

プラント事例から学ぶ実践

実際のプラント見学レポートでは、長崎県諫早市にあるバイオマスエナジー社の設備が紹介され、丸太やおが屑、廃材などあらゆる樹種を燃料として処理できる技術が報告されています。

施設内では雑多な廃材を安定的に燃焼するためのガス化設備やボイラーが稼働しており、運用面や安全管理の実際を肌で感じることが可能です。プラント見学を通じて得られるノウハウは、導入検討企業にとって具体的な設計・運用イメージ構築に役立ちます。

導入時の注意点と効果

バイオマスプラント導入に際しては、燃料の含水率管理や異物混入の抑制が重要です。また、燃料調達コストの高騰やFIT制度の見直しが業界に影を落としており、2025年2月時点では燃料コストが高騰し事業停止に至るケースも報告されています。

さらに、輸入燃料がFIT対象外となる方針も示されており、国産燃料の安定調達体制構築が喫緊の課題です。こうしたリスクを踏まえ、契約書に合法性確認条項を盛り込むほか、複数サプライヤーとのリスク分散体制を整備することが効果的です。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。

コスト削減の切り札!?
木質バイオマスの
プラント見学レポを見る