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バイオマス発電所を安定して稼働させるには、燃料を長期的に安定して確保することが必要です。どのように燃料を調達するかは、買取価格にも影響します。バイオマス燃料の調達方法について、燃料の種類ごとにまとめました。
バイオマス発電に用いられる燃料には、いくつかの種類があり、それぞれ調達方法が異なります。燃料の種類ごとに、その調達方法を確認しましょう。
バイオマス燃料になる「やし殻」とは、アブラヤシの種の表面にある殻の部分です。PKS(Palm Karnel Shell)と表記されることもあります。
やし殻は、パームオイルを絞ったあと発生する廃棄物として知られていましたが、バイオマス発電が推奨されることによって、燃料として注目されるようになりました。
アブラヤシの木は日本の環境で育てるのが難しいため、インドネシアなど東南アジアから輸入することで調達するのが一般的です。世界中でバイオマス燃料の需要が高まるにともない、世界各国が買い付けているため、取り合いが激しくなり、輸入価格が高くなっていく可能性があります。
間伐材や端材は、林業で発生する廃棄物です。間伐材とは、樹木どうしの間隔をあけて密集しないようにするために、間の木を伐採することで発生する木材です。
間伐材は、バイオマス燃料としてだけでなく、割り箸や紙の材料など、さまざまな活用方法があります。端材は、丸太を材木として製材する際に切り落として余った細かい木材です。
このように材木として使用しにくい木材や、売り物にならず廃棄してしまうような木材を粉砕して「木質チップ」に加工することで燃料となります。
間伐材や端材は、林業が行われている場所で調達できるので、国内で確保することができるバイオマス燃料です。
ただし、その運搬や加工などにコストがかかってしまうと、発電コストが高くなってしまうので、低コストで燃料を調達する工夫が求められます。
食品廃棄物は、外食産業や、食品製造業などで発生します。賞味期限が切れて廃棄された食品や、食べ残しなどです。その多くは焼却処分され、その灰は埋め立てされることになり、ゴミの増加にもつながっています。食品廃棄物をバイオマス燃料として活用することで、エネルギーを有効活用しながら、ゴミを減らす効果も期待できるのです。
バイオマス燃料として使う場合、そのまま燃やす「直接燃焼方式」ではなく、主に「ガス化方式」が採用されます。食品廃棄物を発酵させて、メタンガスなどに変換し「バイオガス」化することで燃料にする方法です。調達するには、さまざまな業者で発生する食品廃棄物をいかに効率的に集めるかが課題となります。
家畜ふん尿とは、牛や豚、鶏などを飼育する畜産業で発生するふん尿です。廃棄するだけでなく農作の肥料として利用されることもありますが、バイオマス燃料としても注目されています。
バイオマス燃料としての利用方式は「直接燃焼方式」と「ガス化方式」の両方が可能です。
「直接燃焼方式」の場合は、家畜ふん尿をペレット状に加工することで燃料にします。「ガス化方式」は、食品廃棄物と同じように、家畜ふん尿を発酵させてメタンガスなどに変換する方法です。家畜ふん尿を効率的に調達するには、畜産業者の理解と協力を得ることが求められます。
揚げ物に使用された食用油などの「廃油」も、バイオマス燃料として活用する道があります。
廃油は不純物が多く、そのままでは燃料にならないので、特殊な機械にかけて精製。バイオディーゼル燃料などに変換することで、発電に利用できる燃料となります。
廃油は大手コンビニチェーンや飲食店、スーパーなど、食用油を大量に廃棄する業者から調達可能です。
実際、自社でバイオマス発電設備に投資して、業務上で発生する廃油を使って発電し、売電することで、新たな収入源を確保したという例もあります。普段の業務で大量の油を廃棄している企業にとってバイオマス発電は、新たな事業として検討する価値のある分野でしょう。
バイオマス燃料によって発電された電力の買取価格の基準となるのが、FIT(固定価格買取制度)です。燃料の種類と調達方法によって、買取価格が異なります。燃料の調達方法を検討するにあたって、FITについても詳しく確認しておきましょう。
FITは、バイオマス発電に限らず、再生可能エネルギーによって発電された電力を、一定期間まで固定価格で買い取る制度です。バイオマス発電については「20年間」、固定価格で電力を買い取ることが定められています。
この制度を確認することは、バイオマス発電によってどの程度の収入を得られるかを、長期的に判断するために有用です。バイオマス発電事業の計画を立てる上で、重要な制度だといえます。
バイオマス発電について、FITでは燃料の種類や調達方法ごとに異なる買取価格が定められています。バイオマス発電に関する、燃料の種類ごとの買取価格は以下のとおり。表の価格は、1kWhあたりの数字です。
燃料 | 規模 | 買取価格 |
一般木材等 | 10,000kW以上 | 入札 |
10,000kW未満 | 24円+税 | |
メタン発酵バイオガス | 全規模 | 39円+税 |
未利用材 | 2,000kW以上 | 32円+税 |
2,000kW未満 | 40円+税 | |
建設資材廃棄物 | 全規模 | 13円+税 |
一般廃棄物・その他 | 全規模 | 17円+税 |
表を見ると、「メタン発酵バイオガス」や「未利用材」は、「32~40円」の高い買取価格が設定されていることが分かります。「メタン発酵バイオガス」の価格が高いことから、食品廃棄物や家畜ふん尿など、他の用途がほとんどなく、環境への良い影響が期待できる燃料が推奨されていることが分かるでしょう。
「未利用材」とは、国内の林業で発生する間伐材など指すので、PKSや輸入の木質チップは「一般木材等」に該当。輸入に頼るのではなく、国内で燃料を調達することを推奨していることが読み取れます。
燃料の種類を決めたり、調達方法を考える上では、このような買取価格の違いを踏まえて計画しましょう。
出典:経済産業省(https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200323005/20200323005.html)
出典:経済産業省・資源エネルギー庁(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html
出典:日経BP(https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00006/00009/?ST=msb&P=2)
バイオマス燃料は、輸入に頼るのではなく、できるだけ国内で確保することが大切です。燃料を輸入に頼りすぎることは、取り合いになることによる価格高騰や、為替の影響を受けるリスクがあり、発電事業者にとっては収益の変動リスクが大きくなるなどの悪影響があります。
またPKSや輸入チップによって発電された電力の買取価格が安く設定されていることも、輸入に頼らない方がよい理由です。今後、輸入によって調達した燃料によるバイオマス発電はFITの「対象外」になる可能性も念頭に置いておいた方がよいでしょう。地元で燃料を確保する「地産地消」のシステムを作るなど、近場で燃料を調達することが望まれています。
木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社
木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。
そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。