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小型の木質バイオマス発電は、いくつかのメリットがあることから注目されています。大型の発電所と比べてどのような利点があるのでしょうか。
小型の木質バイオマス発電のメリットだけでなく、デメリットも解説します。
大型のバイオマス発電に比べて、小型の木質バイオマス発電は、熱電併給(コージェネレーション)の仕組みを作りやすいという特徴があります。
熱電併給とは、発電の過程で発生する「熱」を、温水施設や温室栽培などに利用することで、エネルギーの無駄を少なくする仕組みです。
バイオマス燃料のエネルギーを「電気」と「熱」の両方に変換することで、エネルギーの効率を70~80%ほどまで高くできます。
小型のバイオマス発電の場合、発電機の規模が小さいことから、さまざまな施設に併設しやすいというメリットもあります。
小型の木質バイオマス発電は、固定価格買取制度(FIT制度)で優遇され、買取価格が高くなる場合があります。FIT制度において、「間伐材等由来」の木質バイオマス発電の場合、出力が小さい「2000kW未満」の発電設備は、1kWhあたり「40円+税」という有利な買取価格が設定されているためです。
同じ「間伐材等由来」の木質バイオマス発電でも、2000kW以上の大規模な発電設備では、1kWhあたり「32円+税」となり、買取価格が少し安くなってしまいます。
「製材端材」や「やし殻」など、他の木質バイオマス発電については、小型の方が有利とは限りませんが、「間伐材等」を使用する場合は、2000kW未満の小型の設備を検討することが重要なのです。
木質バイオマス発電は、大型であるほど発電効率が良くなるとされています。そのため、小型の木質バイオマス発電は、発電効率が低くなりやすいのがデメリットです。
このデメリットは特に、木質バイオマス燃料を直接燃やして発電する「蒸気タービン方式」というタイプの場合に大きく影響します。
発電に関する効率が悪いとしても、前述の「熱電併給システム」を構築することで、エネルギーを電気以外にも変換し、無駄を少なくする仕組みを作ることが重要です。
また、できるだけ「小型でも発電効率が良い発電方式」を採用することもポイント。次の項目から、その点を解説します。
木質バイオマス発電は発電方式ごとに、いくつかの種類があります。小型の木質バイオマス発電に採用される主な5つの方式について、それぞれの特徴を確認しましょう。
木質バイオマスを燃やした熱で蒸気を発生させ、それでタービンを回して発電するタイプを「蒸気タービン方式」といいます。多くの大型バイオマス発電所で採用されているのは、この蒸気タービン方式です。木質バイオマスをガスなどに変換せず、直接燃やすことから「直接燃焼方式」とも呼ばれます。
このタイプは、大型で出力規模が大きいほど、発電効率が高くなるのが特徴です。最近では高性能でコンパクトな蒸気タービン方式の発電機も登場しています。
蒸気タービンではなく「ガスタービンエンジン」を使って発電するタイプもあります。
これは木質バイオマスをそのまま燃料として使うのではなく、一旦「可燃性ガス」に変換し、そのガスを燃焼させることでタービンを回す方式です。
この方式は、直接燃焼方式と比較して「ガス化方式」とも呼ばれます。ガス化方式は、小型で出力規模が小さくても、高い発電効率を発揮できるのが特徴です。
ただし、ガスタービン方式は木質バイオマスによるガスだけで安定稼働させることが難しいのが弱点。燃料としてディーゼルオイルなどを併用する傾向にあります。
同じガス化方式でも、ガスタービンエンジンではなく、自動車などでおなじみの「ピストンエンジン」を利用して発電するタイプもあります。
エンジンの仕組みは異なりますが、木質バイオマスを可燃性ガスに変換する「ガス化方式」という点は、ガスタービン方式と同じです。
ピストンエンジンの場合は、発電出力の制御がしやすく、木質バイオマスによるガスだけでも安定稼働させやすいという特徴があります。
ORC方式(有機ランキンサイクル方式)は、基本的な仕組みは蒸気タービン方式と同じで、木質バイオマスを燃焼させた熱によってタービンを回転させます。
違いはその「媒体」です。蒸気タービン方式では水蒸気(水)を媒体としてタービンを回転させますが、ORC方式ではシリコンオイルなどの高分子媒体を利用します。
ボイラーの熱を利用して高分子媒体を加熱し、気化させたものをタービンに送り込んで発電機を動かすという仕組みです。
大型にしなくても発電効率を高くしやすいという特徴があり、小型の木質バイオマス発電に利用できます。タービンの冷却水を温水として利用できるので、熱電併給のシステムを構築しやすい方式です。
ORC方式は、国内での導入事例が少ないとはいえ、ヨーロッパでは既に多くの導入実績があります。
バイナリー方式は、ORC方式と似ていますが、媒体として代替フロンなど「沸点の低い物質」を使うという点が異なります。
沸点の低い物質が熱の媒体になることで、温度の低い熱源でも利用できるのが特徴です。地熱発電でも利用される方式ですが、木質バイオマス発電にも利用されます。
焼却施設の排熱を利用した発電など、さまざまな熱源に対応できる発電方式です。「マイクロバイナリー」と呼ばれる小型のバイナリー発電システムも開発されています。
小型木質バイオマス発電施設の運用を計画するにあたって、事前に検討しておくべき重要なポイントを2つ解説します。
小型の木質バイオマス発電において、熱活用は重要なポイント。どのように熱活用をするのか、前もって十分に計画しておくことが重要です。
「温浴施設」「温水プール」などでお湯を作るための熱や、「温室栽培」などで空気を温めるための熱など、さまざまな活用方法があります。
どのような形で熱を活用・販売するのか、地域の需要なども調査しながら事業計画を進めることが大切です。
木質バイオマス発電事業では、燃料を安定して確保することが重要です。小型の発電施設でも、燃料がなくなれば稼働がストップしてしまいます。
また、燃料を遠方から輸送するとなると、コストが大きくかかってしまうため、できるだけ近隣から、長期的に継続して集める方法を計画すべきでしょう。
近隣で、どのような種類の燃料を確保できるかを調べることで、どのタイプのバイオマス発電機を選べばよいのかも決まってくるはずです。バイオマス燃料の調達方法について、地元とのネットワークを大切にしながら、計画を進めることが大切だといえます。
木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社
木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。
そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。