宮崎県の木質バイオマス導入事例

宮崎県で木質バイオマスを導入している事例を紹介します。また宮崎県で木質バイオマスを導入する場合に、どのような支援を受けられるのか、県としての取り組みについても確認しましょう。

宮崎県での木質バイオマス導入事例

宮崎県で木質バイオマスを導入している3つの施設の事例を紹介します。宮崎県では熱利用や発電所だけでなく、木質ペレット工場など、さまざまなタイプの導入事例があります。

事例1.門川町「木質ペレットボイラーを利用した温泉施設」

東臼杵郡の門川町には、木質ペレットボイラーによって発生させた熱を、温泉施設で利用している事例があります。

浴場だけでなく、体育館や温泉プールなどがあり、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる施設です。合宿や企業の研修などに使用できる宿泊施設も完備し、さまざまなニーズに対応。木質バイオマスの熱利用は、安定した収益を確保し、施設を長期的に維持管理していくことが重要です。門川町の事例では、多くのニーズに応える形で、安定した収益の確保を目指しています。

事例2.小林市「林地残材が原料の木質ペレット製造施設」

宮崎県小林市には、木質ペレットを加工する工場があります。宮崎県森林組合連合会と民間企業の共同出資で建設。年間で2万5,000トンの木質ペレットを製造できる能力があります。

国内から未利用の林地残材などを集荷し、粉砕と乾燥、加工から出荷までを担う工場です。製造した木質ペレットは、「平成21年度林地残材バイオマス石炭混焼発電実証事業」として、石炭と共に木質バイオマス発電に利用されています。

事例3.日向市「材木と燃料の加工もできる木質バイオマス発電所」

宮崎県日向市には、木質バイオマス発電所があります。広島に本社をもつ企業によって運営されている施設です。燃料にするための原木を集める業務から、乾燥・加工、そして発電までを、この工場で行っています。

木材を燃料として加工するだけでなく、「材木」として加工して輸出することも行っている工場です。木材を1カ所の拠点で無駄なく利用する事例として、林業の活性化に貢献しています。

木質バイオマスに関する宮崎県の取り組み

宮崎県では、再生可能エネルギーの導入を促進するために、情報提供などの取り組みをしています。宮崎県内で木質バイオマスを導入する場合には、そのような県の取り組みを利用することができるのです。具体的に確認しましょう。

宮崎県再生可能エネルギー等導入推進計画

再生可能エネルギーを推進するための、宮崎県の取り組みに関する計画です。この計画に基づいて、宮崎県としてさまざまな施策を実施。宮崎県内で再生可能エネルギー関連の事業をする企業や団体は、「情報提供」などの支援を受けることができます。

この計画の基本的な目標は、「再生可能エネルギーによる持続的な社会の構築」です。そのために以下の3つを推進することを目指しています。

  • 創エネ
  • 省エネ
  • 将来にわたり持続可能な社会

「創エネ」には、再生可能エネルギーの導入を促進することが該当。宮崎県内の太陽光、風力、バイオマスの導入施設を増やすことを目指す施策です。木質バイオマスについては、実施する団体や企業に対して、「情報提供」や「燃料の研究開発」という形での支援を実施。太陽光発電事業については、支援として資金の貸し付けも行っています。

「省エネ」は、エネルギーの無駄を減らすための施策です。企業や家庭に対して、セミナーの開催や情報提供などを実施し、宮崎県全体の省エネを促進することを目指しています。

「将来にわたり持続可能な社会」とは、「創エネ」と「省エネ」が定着し、長く継続していく体制をつくるための取り組みです。必要な技術者の育成や、後述する「宮崎県次世代エネルギーパーク」による教育などを実施しています。

宮崎県次世代エネルギーパーク

「次世代エネルギーパーク」とは、経済産業省によって認定を受けた、再生可能エネルギー関連施設のことです。

その地域にある風力発電所や木質バイオマス発電所など、エネルギー問題について学べるいくつかの施設を「次世代エネルギーパーク」として認定し、見学できるように整備する取り組みです。発電所だけでなく、エネルギー問題について学べるテーマパークや展示施設が含まれることもあります。

宮崎県でも、「次世代エネルギーパーク」として、いくつかの施設が認定済みです。再生可能エネルギーについて見学できるコースがあります。

見学の申し込み窓口である「宮崎県環境情報センター」を中心に、見学先として「バイオマス発電所」や「バイオマス燃料の製造工場」「水力発電所」などが登録済みです。

地域の農業や畜産業、林業と再生可能エネルギー関連施設がどのように連携しているのかを学べる見学メニューなどを設定しています。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

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バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

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