木質バイオマス発電所の
保守・メンテナンス施策

木質バイオマス発電とは木質バイオマスを燃焼させ、タービンを回転して発電する仕組みのことです。このページでは、木質バイオマス発電所の保守やメンテナンスについて紹介します。

木質バイオマス発電の特徴

木質バイオマス発電の最大の特徴は、廃材・間伐材など不要な木材を活用した発電システムという点です。廃棄する予定の木材をバイオマスエネルギーとして活用するため、地球にも優しい発電方法と言えます。もちろん国内全体のエネルギーを賄うことはできませんが、化学燃料に頼ったエネルギー発電の割合を減らすことは有効でしょう。

ただ木質バイオマス発電はメリットばかりではなく、メンテナンスを怠れば事故が発生する可能性もあるので注意が必要です。事故を起こさないためにも、定期的なメンテナンス・保守は欠かせないでしょう。

事故の発生傾向

木質バイオマス発電の事故原因として考えられるのは、搬送およびボイラー摩耗による機器などの劣化というケースです。また設備事故は発生設備部位ごとに分類すれば、燃料設備のトラブルによる事故が大半という報告もあります。燃料設備とはコンベア駆動させるチェーンおよび駆動部、燃料シュートに大きく分けられ、発電停止を起こした要因は燃料搬送系設備によるものが57%、砂設備は14%、合わせれば全体の70%も占めている現状です。

さらに出力制限においては、燃料搬送系設備に起因しているケースがほとんどと言われています。故障のモードでは針金・番線・オーバー材などの異物によるものや、燃焼シュート部のつまり、曲線部の鉄板の摩耗による穴あけなどが挙げられるでしょう。

搬送系の異常を低減させるメンテナンス

木質バイオマス発電所の搬送系異常を少しでも低減させるためにはメンテナンスが必要となります。どのようなメンテナンスがあるのか見ていきましょう。

• STEP1:日常管理燃料の異物排除
  まずは木質チップの品質管理を徹底させ、規格が居のオーバー材などを排除することが重要です。目視にて規格外のチップがないか確認しましょう。たとえば投球するときは少量ずつ分け、紛れ込んでいる異物を取り除く方法があります。
• STEP2:日常管理水分異常の排除・破砕形状のチェック
  燃料を受け入れる際は、含水量を測定しましょう。また自社の破砕機のメンテナンスも重要です。破砕刃の劣化状況などを入念に点検します。
• STEP3:搬送系の異常を低減させるメンテナンス
  コンベアケース底板の摩耗や損傷、腐食、割れなどのチェックをはじめとし、底板およびレールの肉厚測定、チェーンの張状況の確認および計測、駆動用電動機や軸受などの点検などが必要です。