山梨県の木質バイオマス導入事例

このページでは、山梨県における木質バイオマスの導入事例や、木質バイオマスに関連した補助制度などについて、具体的な情報を紹介しながら詳しく解説しています。

山梨県での木質バイオマス導入事例

事例1.南部町「木質バイオマス発電所の導入事例」

山梨県南部町は、株式会社南部町バイオマスエナジーと協力して、公民連携プロジェクト「木質バイオマスバス化発電事業」を推進し、2021年5月に木質バイオマス発電所「南部町バイオマス発電所」を完成させました。

発電所は南部町内にあるアルカディア南部総合公園スポーツセンターの敷地内に建設され、熱分解方式による発電施設として、スポーツセンター内の温水プールの保温用熱源や、間伐材由来の木質チップを乾燥させる熱源などに利活用されています。また、スポーツセンターは防災拠点になっていることもあり、非常の際には発電所から電気を送れるインフラ整備も拡充され、非常用電源として活用されていることもポイントです。

なお、南部町バイオマス発電所の運用状況を稼働後1年間にわたって観察・分析し、木質バイオマス燃料が不足せず、むしろ集荷量に余裕が生まれるようであれば、南部町内で新たに2カ所のバイオマス発電所の建設が検討予定ということも見逃せません。

事例2.山梨市「ペレット生産施設とペレットボイラー冷暖房の導入事例」

2005年3月に、山梨市・牧丘町・三富村の3市町村が合併し、地域新エネルギービジョンを策定、2006年5月にはバイオマスタウン構想の認定が行われました。

そのような中、エリア内にある飯島製材所では焼却炉で焼却処分を行っていた廃材の再利用を模索しており、同製材所内へペレット製造施設を建設しました。

同施設では、製材事業の過程で発生する端材がペレットの原材料として使用されており、原材料費が発生していないこともポイントです。また、1日8時間の稼働で年間450tのペレットが製造されており、ペレットボイラー冷暖房の燃料として活用されています。

ペレット燃料を利用しているペレットボイラー冷暖房は、山梨市内の交流施設や庁舎、教育機関、宿泊施設などで導入されており、様々な場所で冷暖房負荷のサポートに貢献しています。

飯島製材所の本事例では、自社施設の敷地内で既存の設備や機器などを活用して、初期コストを抑えている点も重要です。加えて、製材端材を利用していることから、ペレット製造に必要な原価が発生していないことも見逃せません。反面、製材端材を利用していたとしても、乾燥コストが必要になることは同様です。

山梨市では、さらに木質バイオマスの活用法を検討していく上で、様々なコストを抑えながら、より効率的な運用システムを考慮することが課題とされています。

その他の木質バイオマスの
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山梨県で受けられるバイオマス関連の補助制度

山梨県木質バイオマス推進計画

山梨県では、平成24年3月に策定された「やまなし森林・林業再生ビジョン」や「やまなしエネルギー地産地消推進戦略(平成24年4月策定)」などの達成を目標として、平成26年3月に新たな計画として「山梨県木質バイオマス推進計画」を策定しました。

当計画は平成26年度から平成33年度(令和3年度)までの8カ年計画として、林業に由来する燃料用木材を対象とした木質チップや木質ペレットなどの活用法を検討しています。

ペレットストーブ・薪ストーブの導入に係る助成制度

山梨県内では2021年6月時点で、甲府市や富士吉田市、山梨市など計9市町村において、ペレットストーブや薪ストーブの導入費用を1万~20万円の範囲で助成しています。

なお、助成額は自治体によって異なるため、詳細は自治体の担当課へ確認するようにしてください。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。

コスト削減の切り札!?
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