秋田県の木質バイオマス導入事例

秋田県の木質バイオマスの導入事例には、どのような施設などがあるのでしょうか。また、木質バイオマス関連の事業に対して、秋田県でどのようなサポートをしてくれるのかについて解説しています。

秋田県での木質バイオマス導入事例

秋田県の木質バイオマス導入事例について、能代市の発電所と、北秋田市の道の駅に導入された事例について紹介していきます。

事例1.能代市のバイオマス発電所暖房、給湯、売電事業

能代市では、民間企業のみで開発されたものではなく、地域ぐるみで運営しているバイオマス発電所があります。一般的に民間企業が主導で運用がおこなわれるのですが、この発電所の場合は日本でもレアなケースの事例です。

運営の母体となるのは、製材協会などを組合員とする能代森林資源利用協同組合。地元の製材工場から出る不要な樹皮や木くず、端材などを集めて大型のボイラーに投入、火力発電所などと同じ原理で焼却する熱によって蒸気発生させてタービンを回転させ発電しています。原料となるバイオマスの投入量は年間35000トンで、総合利用率は約60%となっています。発電能力は毎時3000w、発電効率は10%です。エネルギーの使用は施設外で暖房や給湯、売電に利用されています。主に発生させた電力は隣接している木質ボードの工場や事務所などで活用。また、蒸気も同じ工場に供給されていて、木質ボードのプレス機や乾燥機の熱源として利用しています。

事例2.北秋田市の木質バイオマス発電機で道の駅の足湯を沸かす

北秋田市では、実に市全域の約80%以上が森林という、林業が盛んな地域です。しかし、近年の状況から林業を継続する方の減少によって、伐採された後の残材が問題になっていました。

そこで、動き出したのがその残材を使用した、木質バイオマス発電です。この取組がユニークなのは、地域の道の駅「たかのす」に発電機を設置して、発電した電気はFIT制度を利用して東北電力に売電。熱エネルギーは道の駅内の足湯に利用しています。

この発電機は、長さ4.8メートル、幅1.2メートル、高さ2.5メートルとバイオマス発電機としては、非常にコンパクトなサイズ。燃料となるも木質チップは、北秋田市の未利用間伐材から同市内のチップ加工業者から調達しています。この加工業者からのチップ供給量は、年間で約500トン、チップの購入価格は1トンで10,000円(運送費用を含む)です。

発電機の内部にはチップを燃やしてガスをつくる装置や発電する装置、熱エネルギーを回収する装置が内蔵されています。特徴的なのは、自動運転が可能で、さらにはインターネットを利用して遠隔操作をすることもできます。電力をつくる能力としては、1時間に40キロワットで、1年間に7,800時間(24時間運転で325日)まで稼働させることができます。1年間の最大発電量は312,000キロワットにもなり、これを一般家庭に換算すると1台のバイオマス発電機で87世帯分の電力がまかなえることになります。電力と熱を合わせたエネルギー効率は78%にもなり、この数字は都市ガスなどを利用している一般的な熱電併給のシステムと同程度となっています。

これを設置している道の駅「たかのす」の収支モデルは、1年間で7,800時間稼働させた場合、最大発電量は312,000キロワットですから、FITの売電価格を40円とすると、年間で11,856,000円の収入となります。

支出のモデルとしては、設備費用、足湯の建設費用、バイオマス発電の導入費用で約5千万円、チップ購入費用が年間で500万円、チップの乾燥費用として年間で110万円、メンテナンス費用が年間200万円、その他の費用が年間110万円となっています。今後の展開としては、さらに大型の温浴施設、また農業への展開も考えられています。コスト面としては、燃料のチップを乾燥させる工程を見直すことによって削減できるのではないかと検討されています。

その他の木質バイオマスの
導入事例を見る

秋田県で受けられるバイオマス関連の補助制度

木質ペレットストーブへの補助金

秋田県秋田市では、木質ペレットストーブを導入する場合には補助金を受けられます。補助金を受けるための条件として、個人であれば、秋田市内に自ら居住する住宅があること、市税を滞納していないことが条件となります。

法人事業者の場合には、事業所や営業所が秋田市内にあり、そこに木質ペレットストーブを設置すること、市民税や事業所税の申告をおこなっていて、市税の滞納がないことが条件です。

そのほかには、マンションやアパートの場合は、申請者以外の共有者全員から、申請者の所有となっていない場合は、所有者全員から書面で承諾を受けること、設置した翌年からペレットの利用状況調査に協力できること、秋田市火災予防条例に定める基準に準じて設置されていることなどが条件となります。

補助金額は設置する費用の半額以内で、上限は20万円となっています。また、郵送などでは受付していませんので、秋田市庁舎へ申請書を持参する必要があります。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。

コスト削減の切り札!?
木質バイオマスの
プラント見学レポを見る