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このページでは、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会と全国木材資源リサイクル協会連合会が定める「木質チップの品質規格」について、形状や大きさ、水分量など各項目を解説していますので、木質チップ利用の参考にしてください。
木材の有効活用やリサイクル利用に役立ちます。燃料用木質チップの品質規格を設定して業界標準の仕様を決定することにより、木質チップの条件に合った燃焼装置やボイラーなどの設計が行いやすくなるでしょう。また、チップごとの品質差による問題やトラブルを解消。環境負荷の軽減に対する業者の負担をコントロールし、リサイクル事業についてのイメージアップの環境作りを促進できることもポイントです。
木質チップの品質規格は、木質チップの利用者や関係者にとて明確な羅針盤として機能します。
木質チップの品質規格を設定するにあたり、複数の品質項目が規定されています。それぞれの項目に応じてチップ品質を「Class1~Class4」の4段階に分類します。
木質チップの品質規格を定める品質項目には水分量や原料、寸法区分など複数が規定されていますが、ここでは特に水分量と寸法に注目して解説します。
木質チップに含まれている水分量は、燃焼させる際の効率性に影響する要素であり、必然的に水分量も木質チップの品質を考える上で重要です。
木質チップの水分量に関しては、全体重量に対する含水量の割合として「M25・M35・M45・M55」という単位が設定されており、さらに含水量55%以上の木質チップは燃料用木材として不適格と定められています。
基本的に水分量が少ないほど燃焼性が高まるため、含水量25%以下(M25)もしくは25~35%(M35)がClass1に相当します。
木質チップの大きさや形状についても、燃焼装置に適したサイズが均一に保たれていてこそ燃焼効率を追求することが可能となります。
木質チップの寸法区分は「P16・P26・P32・P45」の4段階が設定されており、それぞれ対象の木質チップとしてまとめられているチップ全体に対して、微細部(全体重量の10%未満)、主要部(全体質量の80%以上)、粗大部(全体重量の10%未満)、そして最大長(最も大きなもの)の基準値と照らし合わせて分類されます。
寸法については木質チップの品質に優劣を定めるのでなく、サイズによる燃焼装置との適合性を判断する指標という点に注意してください。
木質チップは日本国内だけでなく世界各地で発生・活用されている木質バイオマスの1種であり、当然ながら品質規格についても日本基準のものだけでなく各国や地域によって複数のものが定められています。
そこで、ここでは比較対象の一例として日本国内の品質規格と、ヨーロッパ規格やオーストリア規格といった海外の品質規格についてまとめました。
日本における木質チップの品質規格は、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会と全国木材資源リサイクル協会連合会が共同で認定している品質基準にもとづいており、木質チップとなる原料やチップの形状・大きさ、水分含有量などによって分類されています。
木質チップの原材料として「木材」が使われる場合、伐採によって得られた木材や工業製品を製造する際に生じた残材、リサイクル木材など様々なものが含まれます。
加えて、木質チップの原料として森林から伐採された木材や街路樹・公園樹などの剪定によって生じた剪定枝、林地残材などが発生起源となる場合は「森林立木」として分類されることも特徴です。
なお、工場残材としては未処理残材、化学的処理工場残材、そして製造に当たって剥がされた樹皮などが「副産物工場残材」となります。
規格は乾燥規定(含水率)によって細分化され、金属や土砂といった異物混入品は不適合です。
リサイクル材は建築用材や梱包材など化学処理がされていない原料をリサイクルした「未処理リサイクル材」と、合板や集成材といった接着剤などを利用されている原料をリサイクルした「化学的処理リサイクル材」に分類されます。特に化学的処理リサイクル材は化学物質の付着程度で細かく分類。サーマル用の場合「湿量基準含水率(水分M)<25%」という基準もあります。
また未処理リサイクル材は発熱・発電規模によって「Class3~4」、化学的処理リサイクル材は「Class4」に区分されることがポイントです。
各家庭や商業施設、公共ビルといった場所で使用される小出力木質ボイラ用燃料チップを対象とした、ヨーロッパにおける品質規格です。原料によって「ClassA・B」に大別され、さらに水分含有量・発熱量や残存化学物質などによって「ClassA1、A2」や「ClassB1、B2」といった細分化されます。
サイズによって5つに区分し、水分上限を50%として湿量基準でも5区分、さらに灰分(1%未満・1%以上)や密度(3区分)などによって分類している規格です。EN規格より分類方法としてシンプルになっています。
木質バイオマスとして木質チップを燃料にするボイラーが開発・販売されています。しかし、木質チップの規格を確認しなかったり意識していなかったりすることで生じるトラブルについて、まだ認識が薄いでしょう。木質チップを燃料にするボイラーを使用する際に注意すべきポイントをまとめました。
木質チップを燃料とするボイラーの大半は、木質チップの品質規格にもとづいて設計されており、燃焼時に供給する木質チップも規格に適合したものを使用することが推奨されています。逆に品質規格へ合致していない木質チップや木質バイオマスなどを使用した場合、想定されている木質チップとサイズの不一致が生じてチップが詰まってしまったり、そのせいで燃料が供給されず燃焼がストップしてしまったりといったトラブルを招きかねません。
品質規格に合致していない木質チップを使用したせいでチップが詰まってしまったり、水分の多いチップを使用して正常に炎が出なかったりすると、燃焼効率が悪化。十分な燃焼エネルギーを獲得できず、また不完全燃焼が発生してしまいます。
不完全燃焼は余計なガスや悪臭、ススなどの要因です。結果的に異臭や健康被害を引き起こす恐れがあります。
不完全燃焼によって木質チップが正常に燃焼しなくなると、必要以上にススが発生したり燃えかすとして灰が残りやすくなったりします。すると、通常よりも追加で清掃やメンテナンスが必要になり、燃焼効率だけでなく燃焼装置の利便性まで悪化。使用しているボイラーが故障してしまうリスクも増大します。コスト面の負担が増えてしまうことも問題です。
木質チップを使用して燃焼エネルギーを発生させるボイラーをはじめとする燃焼装置では、故障原因やトラブル原因のおよそ8割が、燃料として使用する木質チップの規格不適合といわれています。
そのため、サイズのミスマッチや過剰な含水率、化学物質や汚染物質の混合などを避けて、燃料としての品質規格に適したチップを使用しなければなりません。
ボイラーごとに指定された燃料の品質規格を守って使用することは大切ですが、一方で木質チップとしての加工コストや加工時に生じる二酸化炭素排出量などを考慮すると、サステイナブルな社会を実現するためには少しでも幅広い木材を燃料として利用できた方が効率的です。
そのため、様々なバイオマス燃料を利用できるバイオマスプラントを導入することで、使える木材や燃料の範囲を拡大して、対応力を強化することも将来を見据えた行動といえるでしょう。
木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社
木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。
そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。