鹿児島県の木質バイオマス導入事例

鹿児島県内で木質バイオマスを導入している施設や団体の事例を紹介します。木質バイオマス関連の事業者に対して、鹿児島県が用意している補助金についても確認しておきましょう。

鹿児島県での木質バイオマス導入事例

鹿児島県内では、木質バイオマスをどのように導入しているのでしょうか。具体的な事例を紹介します。

事例1.肝付町「地域材による熱利用」

肝付町には、温泉施設で使用していた灯油ボイラーを、薪ボイラーに変更することによる導入事例があります。

燃料にする薪は、地域住民や森林組合から調達。地域で発生した「未利用材」や、道路をふさぐ「支障木」、林業で発生する「間伐材」などを利用しています。

集めた木材を薪に加工する作業は、温泉施設の管理者でもある肝付町の商工会が実施。灯油と併用しての運用ですが、ボイラーは年間355日、24時間体制で稼働しています。

熱利用をしている温泉施設は、年間で14万人が利用する人気施設であり、需要のある熱活用事例です。

事例2.肝付町「大学附属病院での木質チップボイラー導入」

さらに肝付町には、大学附属病院で木質チップボイラーを導入している事例もあります。

ボイラーで発生させた熱によって蒸気を発生させ、病院内の空調や給湯、調理用の熱源や、滅菌のために活用している事例です。

鹿児島県では、木質バイオマスボイラーを導入したいくつかの施設で、どの程度までCO2を削減できたのかを認証する活動をしており、この大学附属病院の事例では、令和元年度で約50tの削減につながったと認証されています。

事例3.鹿屋市「木材を乾燥させる熱源として活用」

鹿屋市にある製材会社では、木材を乾燥させるための施設で、薪ボイラーを導入している事例があります。

この会社では従来、木材を乾燥させるために重油を燃料として使用していましたが、これを薪に置き換えることで木質バイオマスを導入。薪にするための木材としては、自社の工場で発生する「製材端材」を使用。廃棄物の削減にもつながっています。

重油を使用する量が少なくなることで、CO2も削減。県の認定によると、平成30年度で14tのCO2削減につながっています。

事例4.霧島市「未利用材による木質チップ発電」

霧島市には、木質チップによるバイオマス発電所があります。発電量は1日あたり約「5,750kW/h」の設計です。

燃料の木質チップは、林業で発生する「林地残材」や「根曲がり材」、未利用の「間伐材」、製材所で発生する「木くず」など。地元の林業者と協力しながら、木質バイオマスの運搬や計量、チップへの加工なども自社で行っています。1日あたり約「160t」の木質チップを製造可能です。

燃料の調達を海外からの輸入に頼るのではなく、地元の木質バイオマスを有効活用している事例です。

鹿児島県で受けられるバイオマス関連の補助制度

バイオマス関連の設備を導入する事業者に対して、鹿児島県にはどのような補助制度があるのでしょうか。担当窓口や補助率など、詳しい情報を確認しておきましょう。

鹿児島県再生可能エネルギー加速化支援事業補助金

鹿児島県が主体の補助制度として「鹿児島県再生可能エネルギー加速化支援事業補助金」があります。

これは、バイオマスを含む再生可能エネルギーの導入を加速化することを目的とする補助金です。

補助金の対象となる設備を導入する予定の事業者に対して、その「導入可能性調査」や「設備の基本設計」など、準備段階で必要な費用を補助してくれます。

補助率は、450万円を上限として、費用の1/2以内です。補助を希望する事業者は、「応募申請書」と、事業の「実施計画書」などの必要書類を提出し、審査を受ける必要があります。

この書類の問い合わせ窓口と、書類の提出先は、鹿児島県の企画部エネルギー政策課「再生可能エネルギー推進係」です。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。

コスト削減の切り札!?
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