チップ

切削チップと破砕チップに分類される木質バイオマスの木材チップについて、リサイクル方法やリサイクル事例を紹介します。

チップの写真

チップの主なリサイクル方法

製紙

紙をつくるための環境対策としては古紙のリサイクルが広く認識されていますが、木材チップも森林資源をムダにしないという意味で、もともと紙の材料として有効活用されています。紙の原料であるパルプは木材の繊維で、木材チップから繊維を抽出するのです。

紙・パルプ用木材チップの価格の推移を見ると、輸入材のチップが10,000円/m³超えの一方で、国産針葉樹チップは5,000円/m³と低迷しています。

参照元:http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/mokusan/pdf/080425-12.pdf

ファイバーボードの原料

ファイバーボードは木材由来の建材で、チップや木片などを原材料として、高温高圧で成型したもの。建材としては断熱性能や吸音性能があり、端材や廃材などをリサイクル活用できて、一般的な木材よりも安価な点がメリットです。

日本における消費量割合を見てみると、ファイバーボードは13%。合板69%、パーティクルボード18%と比べると浸透度は低いと言えます。

参照元:(https://www.novopan.co.jp/about/demand.html)

ガーデニング用チップ

ガーデニング用のアイテムとしてもチップは大活躍します。化粧用、あるいは雑草が生えないように、5~10センチメートル程度の厚さに敷いて転圧をかけるのに便利です。もちろん、自宅の庭だけでなく、公園などの公共の施設でも大変役立ちます。

中でも、ひのきのチップは腐食しにくい特徴があるのでおすすめです。敷設後、一定期間はヒノキのいい香りが続くのも嬉しいポイントです。切削されたチップ・破砕されたチップ、いずれのタイプもガーデニング用に利用されています。

燻製剤との併用

チップと一口に言っても、実にさまざまな種類の樹木からつくられています。特に、燻製剤として製造する場合は、十種類以上も扱李扱われていることもあります。広葉樹であれば、クルミ、ブナ、ナラ、サクラなどが代表的。針葉樹であれば、ヒノキ、スギ、マツ、モミなどの利用もみられます。

また、燻製剤としてのチップを扱っている場合、お客さんの要望に応じて、用途にぴったりなサイズのものを製造してくれる場合もあります。本格的なハムやソーセージなどの商品では、製法自体は外国風のものであっても、燻製に用いられるチップは国産品を利用している会社もあります。

イベントでチッププ―ルとしての利用

やや意外なチップの利用法だと言えるのが、イベント会場うなどで目にすることもある「プール」です。プールといっても普通のスイミング・プールではなく、ヒノキチップなどが山盛りに入っているプールです。

基本的には子どもから大人気のコーナーになっていますが、子どもの両親も一緒になって遊んでいる様子も見られます。砂場と異なり、服が汚れたりする心配がないため、たしかに大人でも気兼ねなく楽しめる「プール」です。こういったイベント会場では、自宅でも同じように楽しんだり、おみやげ渡したりしたい場合には、持って帰れるイベントもあるようです。

バイオ利用チップ

生ゴミを分解したり、臭いを消したりする効果があるチップもあります。広葉樹やスギを原料としたチップダストなどは特にそういった効果が強いため、大変重宝されています。家庭で使えば、生ゴミ用のコンポストで生ゴミを分解しつつ、悪臭をシャットアウトしてくれるため、ハエなどが寄ってくることもありません。また、大手メーカーでは、さらにバイオ剤を混ぜて、処理能力をアップさせた装置を開発しています。

バイオマス燃料

木質チップはバイオマス燃料のひとつとして利用されていて、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会が品質規格を定めています。燃料としての歴史が浅いため、チップと使用する燃焼器との相性など注意すべきポイントがあります。

バイオマス燃料として使うと、ガス化・熱利用・発電として再利用することができます。とくに製材業であれば余った木材を地産地消でき、おすすめです。

木質チップの種類

加工別による形状の種類

ひとくちに木質チップといっても、その加工方法により形状には違いがあります。主な2つの形状である「切削チップ」と「破砕チップ」について説明します。

  • 切削チップ
    機械的に刃物で切削したチップ。四角形で、形状はフレーク状のような削片です。
  • 破砕チップ
    別名で「ピンチップ」あるいは「クラッシャーチップ」とも呼ばれています。機械的な打撃(代表的にはハンマークラッシャーが用いられます)を与え、繊維に沿うように砕いたチップです。細長いピンのような形状です。

品質基準による違い

A~Eまで、5つの品質基準の区分が設けられています。

  • Aチップ
    樹皮を含む、異物を全く含まないチップ。柱、梁、幹などの断面積が大きいものや無垢材が原料です。
  • Bチップ
    異物を全く含まないチップ。柱、梁、幹などの断面積が大きいもの、無垢材、パレット、梱包材などが原料です。
  • Cチップ
    防腐剤、ペンキ付着物、金属、プラスチック類、土砂などの異物を含まないチップ。柱、梁、幹などの断面積が大きいもの、無垢材、パレット、梱包材、合板などが原料です。
  • Dチップ
    CCA 含有物、金属、プラスチック類、土砂などの異物をほとんど含まないチップです。柱、梁、幹などの断面積が大きいもの、無垢材、パレット、梱包材、合板、繊維板、ペンキや接着剤が付着しているものなどが原料です。
  • Eチップ
    有害物質および金属を含まないチップです。製造の際に発生する副産物が原料です。

チップのリサイクル事例

4,000万円の
ランニングコスト削減

バイオマス導入の経緯

  • 燃料費の削減と安定化

活用している木の燃料

  • 林地残材由来の燃料チップ

導入の成果

  • 4,000万円程度のランニングコスト削減

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「木質バイオマスエネルギー利用事例集」のなかから、北海道健誠社のクリーニング工場で取り組んでいるチップボイラーについて紹介します。
クリーニング工場はそもそも原価の10%が燃料費というビジネスで、原油価格の変動が経営環境におけるリスク要因ともなっていました。この状況を改善するために導入されたのがバイオマスボイラー。2006年度の地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業として採択されたのが契機となりました。
当初、燃料としては建築廃材を利用していましたが、2011年度からは林地残材から燃料チップを生産するようになり、それを燃料として活用しています。
結果、燃料にかかるコストは化石燃料に頼っていた時期と比べて、バイオマス燃料の活用で年間約4,000万円のランニングコスト削減を達成。燃料チップについても、今後は生産量を増やして販路拡大を見込んでいます。

参照元:林野庁(http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/pdf/250610biomass4.pdf)

CO2と重油使用量が大幅減

バイオマス導入の経緯

  • 地域資源の活用により、産業と雇用を創出

活用している木の燃料

  • チップ

導入の成果

  • CO2を142.97t削減

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北海道知内町では低炭素な街づくりの一環として、化石燃料から木質バイオマス燃料へのリプレイスを促進しています。
木質チップボイラーの整備に着手して、町役場の庁舎の暖房や町民プールを加温するために熱供給をスタートしたのが平成26年。森林資源に恵まれている地域ということもあり、環境負荷対策という面だけでなく、町と地元企業が協力をして、事業推進や雇用創出に注力しているわけです。
この一連の活動を主体的にリードしているのが知内町で、庁舎やプールの他にも公民館など公共施設でボイラーを利用。ほかにも農業分野でハウスの暖房や融雪への活用、一般家庭の暖房などを含めて、地域での幅広い活用を見込んでいます。
導入効果としては、CO2排出量の削減(142.97t)や重油使用量の削減(52,755ℓ)といった結果が出ています。

参照元:林野庁(http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/attach/pdf/con_4-3.pdf)

好循環のプロジェクト進行

バイオマス導入の経緯

  • 未利用木材、虫被害木の活用促進

活用している木の燃料

  • 間伐材、切削チップ

導入の成果

  • 未利用材の利用促進、CO2の排出削減、コスト改善など

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JR東北本線の紫波中央駅がある岩手県紫波町には、都市開発の一環として町が取り組んでいる複合施設「オガールエリア」があります。これは、商業施設や宿泊施設、スポーツ施設に加えて、住宅や公共施設も合わさったもので、再生可能エネルギーを利用した地域熱供給拠点の「エネルギーステーション」があることでも注目を集めています。
エリア内施設の冷暖房や給湯などには、木質バイオマスボイラーの熱も採用。燃料に使われているのは、もともと未利用だった木質資源や松食い虫被害に遭った木で、紫波町農林公社が燃料チップの製造を担当しています。この燃料材は住民の持ち込みもあり、町のクーポン券がもらえる特典も用意されていて、農林家が進んで伐出するといった好影響も生まれているほど。
このように未利用の間伐材を積極的に活用することで、コスト面での改善が実現されています。間伐材をチップへ加工し、再利用することで、コストが改善される理由を説明します。間伐材は、従来では単なる廃棄物として運搬され、その後処分されていました。けれでおも、チップ化するなどの有効活用により方面緑化の材料として再利用されるわけですから、間伐材の処分費用は必要なくなるわけです。
具体的な数字で説明すると、たとえば、東伯中山道路田越地区外法面工事では、本来かかるはずだった工事費用を210百万円から187百万円に抑えることに成功しました。
これまで使われていなかった資源の活用や環境負荷の低減、地域経済への寄与など、さまざまな成果が出ているプロジェクトです。

参照元:林野庁(http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/attach/pdf/con_4-3.pdf)

チップのリサイクルにおすすめは、木質バイオマス

チップのリサイクルで多く選ばれているのが、木質バイオマスです。化石燃料からのコスト削減、CO2抑制など、メリットは少なくありません。

とはいえ、A1ペレット(最高品質のもの)や50×10mmの切削チップなど、チップの質が問われる木質バイオマスのボイラーが多いのが現状。そうしたなかで、チップの質を問わず、すべての木質を燃やせるプラントを開発した企業がいます。それが、バイオマスエナジー社です。

チップのリサイクルをする前に知っておくべき産業廃棄物と一般廃棄物の違い

「何となくのイメージはあるけれど、はっきりとした違いはよくわからない…」。これが、産業廃棄物と一般廃棄物に対して、ほとんどの人が持っている感覚ではないでしょうか。ただ、廃棄物をリサイクルしてチップ化し、事業に用いる場合、あいまいなままでは事業を続けていると、思わぬトラブルの原因となる可能性も。そういった事態を回避するためにも、産業廃棄物と一般廃棄物の違いを把握しておきましょう。

産業廃棄物と一般廃棄物の違いとは

まずは分かりやすい一般廃棄物から説明していきます。一般廃棄物とは、すなわち、一般の家庭から出されたゴミのことです。 そのうち、木製のものでは例えば家具などの、大きなゴミが「粗大ごみ」に分類されます。ちなみに、梱包するための木箱・枕木なども同様に一般廃棄物です。また、家庭から出る場合以外では、例えば海岸などにころがっている流木など、自然から出た物も一般廃棄物としての扱いになります。

次に、産業廃棄物についてです。どのようなごみを指すのですのか一言でいうと、「業者から排出される木くずなど=木材の産業廃棄物」となります。排出する業者はきわめて多岐にわたります。林業・家具製造業・建設業・パルプ製造業・紙加工品製造業・道路/河川管理業などがその一部です。これらは、リサイクル業者による産業廃棄物の回収が許可されています。

産業廃棄物処理にかかるコストはどのくらい?

産業廃棄物の処理を業者に依頼するなら、10キログラムにつき、300円未満で対応するところを選びましょう。一般的に、料金は木材の重さで決定されます。ですから、処理を依頼した時、相場よりあまりにも高い料金を払ってしまわないために、この数字を目安と依頼するようにしましょう。

ちなみに、もっとも多い価格設定が「10キロあたり100円〜300円」で、次いで多いのが「10キロあたり100円未満」。その次が、「10キロあたり500円未満」です。

産業廃棄物はリサイクルされてチップ化されるケースが多い

回収された産業廃棄物がリサイクルされる場合、最終的にどのような形に生まれ変わるケースが多いのでしょうか。もちろん、木くずや木材の性質や形、大きさ、さらにコンディションなどによって適する用途へと分類されるのですが、その中で、よくみられるのが、加工されてチップ化されるケースです。

リサイクル工場で木材がリサイクル原料になるまでの仕組み

回収した木材や木くずなどの産業廃棄物が、リサイクル工場でチップへと加工されるまでのプロセスは、どのようになっているのでしょうか。4つのステップに分けて、手順通りにみていきます。

ステップ1.木材の産業廃棄物の中から異物を取り除く

リサイクル工場に運ばれてくる木材の産業廃棄物。この時点では当然、木材の中にたくさんの異物が混ざっている可能性があります。そのため、まずは「異物除去」をしなくてはなりません。代表的な異物としては、土・泥・虫・金属などです。建築廃材の場合では、釘がささったままの状態であったり、塗料が付着しているケースも。これらすべてをひとつひとつ除去していきます。

ステップ2.木材のコンディションを整える

異物の除去が終了したら、今度は木材の状態をある程度均一にそろえるための工程に入ります。のちに行うのり付け作業などをスムーズに行うための、下準備のようなものです。まず、木材を薄く切り取っていきます。同じ薄さにするだけでなく、木材のサイズがなるべく均一になるようにします。

次に、含水率の調整を行います。木材を何に加工するかによって、最適な含水率は異なります。目的に応じて、含水率を高くしたり低くしたりするために乾燥の度合いの強弱をコントロールします。

ステップ3.糊付け・圧縮

予定通りの含水率に調整することができたら、次は、木材ののり付け作業に入ります。通常、「オモテ面」「芯」「オモテ面」の3層構造をもつチップになるようにのり付けします。この作業後に、木材を加熱して圧縮をかけます。

圧縮をかける目的は2つ。先程終了したのり付けを強固な状態すること、そしてもうひとつは、きちんとした形成をすることです。

ステップ4.仕上げをしてチップの完成

最後に木材を削って厚みを微調整し、カットするだけです。これで木材チップの完成です。点検・梱包が済み次第、出荷となります。ちなみに、完成したチップをさらに砕いてファイバー化し、最終的にペレット化する場合もあります。

木材チップが再生紙にリサイクルされるまで

多くの場合、リサイクル工場などで木材・木くずはチップ化されますが、そのチップは、さらに再生紙としてリサイクルされる場合もあります。ここでは、チップからパルプをつくる方法、そのパルプが製紙されるまでの流れを解説します。

ステップ1.パルプをつくる

薬品・蒸気を一緒にチップを蒸解釜の中に投入し、高温かつ高圧の状態で煮ます。やがて繊維と液体に分かれるので、繊維のみを抽出。この際発生した液体部分は再生紙には不必要な部分です。しかし、液体は、燃料としてのリサイクルが可能です。

この段階の繊維には、私達が目にするような紙の白さは、まだありません。蒸解釜から取り出したばかりのこの段階では、木材に特有の色味が残っているためです。そのため、紙として利用可能になる白さになるまで、漂白作業を繰り返す必要があります。

また、漂白・洗浄工程においては、当然、汚れた水が排出されます。リサイクルのために水をたくさん利用するのに抵抗を感じる人がいるかもしれませんが、この排水ものちのち再利用可能。最後まで環境への配慮を欠かさないリサイクル方法なのです。

2.製紙する

上述のプロセスを経て完成したものが「パルプ」です。木材からつくられたパルプの特徴として、セルロースを含んでいる点があげられます。そのセルロースが持つ「水素結合で結びつく性質」を利用して、製紙作業が行われます。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社

木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。

そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。

コスト削減の切り札!?
木質バイオマスの
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