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再生可能エネルギーによる発電の種類はいくつかありますが、その発電効率が比較されることがあります。バイオマス発電の発電効率はどの程度なのでしょうか。他の再生可能エネルギーの発電効率との比較もしてみましょう。
発電効率とは、発電の「エネルギー源」となる燃料や太陽光などを、どの程度の割合まで電気に変換できるかを示す数値です。
使用するエネルギー源の全てを電気に変換できるのではなく、その一部は「熱エネルギー」など、別の形に変換されて失われてしまいます。
発電効率の計算に用いられる基準は、発電方法によってさまざま。例えば太陽光発電の場合、パネルの面積などを基準にして計算されます。バイオマス発電の場合の発電効率は、バイオマス燃料の持つエネルギーのうち、何%を電気に変換できたかを示すものなのです。
まずは「バイオマス発電」の場合の発電効率と、それを高める方法を確認しましょう。
バイオマス発電とは、動植物に由来する有機性の燃料を燃やすことで発電する方法で、火力発電の一種。燃料となるのは、ヤシ殻(PKS)や、林業で発生する間伐材、食品廃棄物、家畜ふん尿、揚げ物などに使用された食用油の廃棄物などです。
燃料を直接燃やしてガスタービンを回す「直接燃焼方式」と、燃料をメタンガスなどに変換し、エンジンやタービンを回して発電する「ガス化方式」の2種類があります。どちらも燃焼温度をあまり高くできないため、発電効率の目安は「約20%」です。
石油を使った発電の効率は40%ほどなので、火力発電の中では低い水準だといえるでしょう。
バイオマス発電の効率を高めるには、「燃焼温度を高くする」ことが有効であるとされています。燃料の水分が多いと燃焼温度の低下につながるので、燃料をしっかり乾燥させることが、燃焼効率を上げるために重要です。
高性能な発電機を開発するなど、発電設備そのものを高性能にすることも役立ちます。さらに、これは発電効率を上げることではありませんが、エネルギーの無駄を減らすという意味では、「熱利用」を考えることも重要です。
熱利用とは、発電の際に発生する熱の一部を、温水施設や農業用の暖房などに利用するシステム。これによって、電気に変換できずに熱として放出されてしまうエネルギーを有効活用できます。
次にバイオマス以外の再生エネルギーについて、その発電効率を比較してみましょう。
太陽光発電は、パネルに照射された太陽光のエネルギーを利用するシステムです。発電効率の基準はパネルの面積で「発電量 ÷ パネルの面積」で計算されます。
この計算で求められる変換効率を「モジュール変換効率」と呼びますが、面積ではなく太陽光のエネルギーを基準にした「セル変換効率」というものもあります。「セル変換効率」の方が「モジュール変換効率」よりも高くなるのが一般的です。
太陽光パネルの性能を比較する場合は、主に「モジュール変換効率」が使用されます。
太陽光の発電効率は、モジュール変換効率で「約20%」が目安。エネルギー源である太陽光は無料で入手でき、設備の維持管理にかかる費用も少ないので、ランニングコストが少ない発電方法です。
風力発電は、風のエネルギーで風車を回し、その回転力で発電機を回すことで電力を発生させるシステムです。風力発電における発電効率は、風のエネルギーをどの程度の割合で電力に変換できるかを示しています。
風力の発電効率は「約20~40%」が目安です。大きくても約45%といわれていて、理論上は60%が限界とされています。
電力に変換するための風力エネルギーそのものは無料で入手できますが、設備のメンテナンス費用や、運転監視スタッフの人件費などがかかるので、ある程度のランニングコストが必要です。
水力発電は、水が落下するエネルギーを使って水車を回し、その回転力を発電機に伝えることで発電する仕組みです。つまり、電力の元になるエネルギーは、水の持つ「位置エネルギー」です。そのエネルギーは、水の量と、落下する高低差によって計算されます。
水力発電は発電効率が高いことで知られており、「約80%」です。水を落下させる水路でのエネルギー損失が少ないことから、このように高い数値になっています。
発電に利用する「水」そのものは自然から入手できますが、ただ水があればよいのではなく、水が「高い所にある」ことが条件なので、貯めている水を使い切ってしまうと発電できなくなります。
一度落下させた水を再利用するために、ポンプで押し上げればよいとも思えますが、それではせっかく発電した電力を消費してしまうことになるので、基本的にはできません。ただし電力消費量の少ない夜間に、ポンプを利用して、一度落下させた水を再び上昇させる「揚水式」というタイプもあります。
地熱発電は、マグマなどによる地熱のエネルギーを利用して発電する方法です。
火山地帯の地下深くには、地下水がマグマの熱によって蒸気となり、それが蓄積された「地熱貯留層」というものがあります。その蒸気を取り出して利用し、タービンを回して発電するのです。
発電効率は「約10~20%」で、再生可能エネルギーの中でも低い水準です。マグマの熱は昼夜を問わず変動が少なく、長期的に枯渇するリスクが低いため、安定してエネルギーを取り出すことができます。ただし発電所を開発するのにかなりの時間とコストが必要です。
ここまで発電効率についてみてきましたが、実は「どの発電方法が優れているか」を比較する上では、発電効率はあまり参考になりません。
発電効率が良いからといって、大量に発電できるとは限らないからです。
発電効率は、あくまでも元となるエネルギーを電気に変換できる「割合」です。発電効率が悪いとしても、元となるエネルギーの量が大きければ、大量に発電できることになります。逆に発電効率が良くても、元となるエネルギーの量が少なければ、少ししか発電できません。
発電効率が良い発電方法の方がコストパフォーマンスが良いとも限りません。コストパフォーマンスは、維持費や初期投資に対して、どの程度の電力量を発電できるのか、それがいくらで売れるのかで計算されます。これは発電効率では比較できません。
発電効率は、「どの発電方法が優れているか」を比較するためではなく、例えば「バイオマス発電事業を始めるにあたって、どの会社の発電機を購入すればよいのか」など、同じ発電方法の中で効率や性能を比較するために利用しましょう。
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