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産業廃棄物としての木くずの処理方法とは?

本記事では、事業活動で発生する木くずの分類基準からリサイクル・焼却・埋立の処理方法、コストや法令手続きを、具体例と最新情報を交えて解説。補助金制度や選定ポイント、環境負荷削減視点もご紹介します。

木くずの定義と分類(産業廃棄物・一般廃棄物)

木くずとは、木製品の切削や加工、建築や解体の過程で発生する木材片やおがくず、樹皮などを指します。これらの木くずは、その発生源や性状に応じて産業廃棄物か一般廃棄物かに分類されます。

建設業や木材・木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業および物品賃貸業から生じる木くずは産業廃棄物として扱われ、処理には専門の許可を得た業者への委託・適正な管理が必要です。

一方で、家庭で剪定された枝木や家具の廃材のような小規模に発生する木くずは一般廃棄物に分類され、自治体の分別ルールや収集方法に従って処分を行います。

PCBを含有する木材は特別管理産業廃棄物とされ、さらに厳格な無害化処理が義務付けられています。

木くずの主な処理方法

リサイクル(チップ化・燃料化・堆肥化)

木くずはその強度と発熱量を活かし、まずリサイクルが検討されます。

粉砕してチップ化した「木質チップ」はパーティクルボードや製紙原料、断熱・吸音建材に再生利用されるほか、ガーデニングチップや生ごみ処理用コンポストの原料としても活用されています。含水率の低い木くずはRPF(固形燃料)やバイオマス燃料に加工され、ボイラーの燃料や発電に利用されるケースも増えています。

防腐剤や塗料の付着がない木くずは家畜ふんや残渣と混合して堆肥化。土壌改良材として農地へ還元する取り組みも進んでいます。チップ化が一般的なリサイクル手法として普及していることが報告されています。

焼却処理

塗膜や接着剤、防腐剤などの付着によりリサイクルが難しい木くずは、専用の高温焼却炉で処理されます。焼却炉では燃焼熱を回収して発電や温水供給に利用する熱回収型施設も導入されており、廃棄熱をエネルギー源として活用する事例が増えています。

排ガス中のダイオキシンや有害物質はフィルターや活性炭で除去し、焼却灰は再資源化(セメント原料等)または管理型最終処分場へ埋立処分。焼却施設は大気汚染防止法に基づく厳格な排出基準を遵守する必要があり、運転管理や保守が欠かせません。

埋立処理

リサイクルも焼却も適用できない木くずは、管理型最終処分場において遮水シートや浸出水処理設備を備えた環境安全性の高い方法で埋立処理します。

搬入前にサイズ調整や異物除去など前処理を行い、現場では締固めや覆土を実施。埋立後も周辺の水質や土壌のモニタリングが継続され、長期的に環境影響を監視します。

最終処分場の容量制限や維持管理コストを踏まえ、可能な限りリサイクルや焼却に優先度を置くことが求められます。

木くずの処理費用の相場と助成制度

事業活動に伴い発生する木くずの処理は、多くの事業者にとって頭を悩ませる課題ではないでしょうか。実は、木くずの処理コストは工夫次第で大きく削減できる可能性があります。ここでは、費用相場を正しく理解し、具体的なコスト削減策を実践するためのポイントを詳しく見ていきましょう。

木くず処理の費用相場

木くずの処理にかかる費用は、全国一律で決まっているわけではありません。排出される木くずがリサイクルに適したきれいな状態か、釘や塗料などの不純物が混じっているかによって大きく変動します。

また、排出する量や処理を依頼する業者、そしてその業者が位置するエリアによっても料金は変わってくるのが実情です。まずは自社が排出する木くずがどのくらいの費用感に当てはまるのか、大まかな相場を把握することがコスト管理の第一歩となるでしょう。

この相場観を持つことで、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する基準にもなります。

重量(t)・体積(m³)別の相場

木くずの処理費用は、多くの場合「重量(kgやt)」または「体積(㎥)」を基準に算出されます。具体的な費用相場を把握しておくと、業者選びやコスト削減の計画が立てやすくなるでしょう。

まず重量単価ですが、リサイクルが可能なきれいな木くず、例えば建築現場から出る廃材や木製パレットなどは比較的安価に処理できます。相場としては1kgあたり10円から30円程度がひとつの目安です。

一方で、釘や金具が付着していたり、接着剤や塗料が使われていたりする木くずは、分別に手間がかかるため割高になります。こちらの相場は1kgあたり30円から60円程度を見ておくとよいでしょう。

次に体積での目安ですが、現場でよく利用される2tトラック1台分(約5㎥)の場合、30,000円から70,000円程度が一般的な相場です。木くずの状態や積載量によって変動しますので、あくまで参考価格として捉えてください。

【活用必須】木くず処理に使える助成金・補助金制度

自社でのコスト削減努力に加えて、国や自治体が設けている支援制度を活用するのも賢い方法です。木くずを単なる廃棄物としてではなく、価値ある資源としてリサイクルしたり、バイオマス燃料として活用したりする取り組みに対しては、様々な助成金や補助金が用意されています。

例えば、環境省が管轄する「廃棄物処理施設整備事業」(循環型社会形成推進交付金など)では、リサイクル施設の導入に対して支援が受けられる場合があります。また、経済産業省や林野庁では、木質バイオマス燃料の製造設備やボイラーの導入を後押しする補助金制度を設けていることもあります。

これらの制度は、公募期間や対象となる条件が年度によって変わるため、常に最新の情報を確認することが大切です。「木くず リサイクル 補助金」や「バイオマス 助成金」といったキーワードで、管轄省庁や事業所のある都道府県・市区町村のウェブサイトを定期的にチェックすることをおすすめします。

産業廃棄物として木くずを処理する際の流れと注意点

産業廃棄物として木くずを処理する際には、単に業者に引き渡すだけでなく、廃棄物処理法に則った一連の手続きを適正に行う必要があります。このプロセスを怠ると、法律違反となり、事業者としての信頼を失うことにもつながりかねません。

以下では、具体的な流れと注意すべきポイントを解説します。

許可を持った専門業者への委託が必須

産業廃棄物を排出する事業者は、原則として、その処理を都道府県知事または政令指定都市の市長から許可を得た専門業者に委託することが法律で義務付けられています。

この許可は、「収集運搬」と「処分」の二種類に分かれており、排出事業者は両方の許可を持つ業者、またはそれぞれを分担する業者と契約を結ぶ必要があります。

違法な業者に委託してしまった場合、排出事業者も不法投棄の共犯として罰則の対象となる「排出事業者責任」が問われるため、業者選定は非常に重要です。

業者選定の際は、許可証の有効期限や処理施設の状況、過去の実績などを確認することが不可欠です。また、近年は、法令遵守や環境配慮の観点から、優良な産業廃棄物処理業者を認定する制度も活用されています。

処理を適正に行うためのマニフェスト制度

産業廃棄物の処理を業者に委託する場合、「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」を交付することが法律で義務付けられています。

この制度は、排出事業者が産業廃棄物の流れを把握し、適正に処理されていることを確認するための重要な仕組みです。マニフェストには、廃棄物の種類、量、収集運搬業者、処分業者などの情報が記載されており、処理の各段階で業者が控えを返送することで、排出事業者は処理が完了したことを確認できます。

近年では、紙のマニフェストに加えて「電子マニフェスト」の利用も推奨されており、管理の効率化と情報伝達の正確性を高めることができます。マニフェストの運用は、排出事業者の責務であり、交付や保存を怠ると罰則の対象となるため、正確な管理が求められます。

コストを最適化する3つのポイント

処理費用を少しでも抑えるためには、排出する側での工夫が欠かせません。ただ業者に引き取ってもらうだけでなく、具体的なアクションを起こすことでコストは大きく変わります。ここでは、誰でもすぐに取り組めるコスト最適化のポイントを3つご紹介します。

ポイント1:徹底した分別で「リサイクル率」を高める

木くずの処理コストを削減するうえで、最も効果的な方法が「徹底した分別」です。なぜなら、きれいに分別された木くずは、チップや燃料といった価値ある資源として再利用できるため、処理業者も安価で引き取ってくれるからです。

逆に、金属やプラスチック、石膏ボードといった異物が混入していると、リサイクルの妨げになります。機械の故障原因になったり、リサイクル製品の品質を低下させたりするため、焼却や埋め立て処分するしかなくなり、結果として処理費用が高騰してしまうのです。

手間はかかりますが、現場で排出する段階から異物を丁寧に取り除く習慣をつけることが、最終的に大きなコスト削減へとつながります。

ポイント2:雨濡れ防止・乾燥で「重量」を減らす

処理費用が重量単位で計算される場合、木くずの「水分量」がコストに直接影響を与えることをご存じでしょうか。木材は乾燥しているように見えても、スポンジのように水分を吸収しやすい性質を持っています。

屋外に野積みにされた木くずが雨に濡れてしまうと、その重さは簡単に1.5倍から2倍にもなってしまうのです。そうなれば、当然ながら処理費用も重さに比例して増加してしまいます。このような無駄なコストを発生させないために、屋外で保管する際は必ず防水シートをかける、水はけの良い場所に置くといった対策を徹底しましょう。少しの気配りが、想定外の費用負担を防ぐための重要なポイントとなります。

ポイント3:複数の優良業者から見積もりを取る

木くずの処理を依頼する際は、1社だけで決めずに必ず複数の業者から見積もりを取ることが重要です。業者によって保有している設備や得意とする処理方法(チップ化、燃料化など)が異なるため、同じ内容の木くずであっても見積もり金額に差が出ることが少なくありません。

ただし、単純に価格の安さだけで業者を選ぶのは危険です。不法投棄などのトラブルに巻き込まれないためにも、「優良な」業者を見極める視点を持ちましょう。具体的には、都道府県から「産業廃棄物収集運搬業」や「産業廃棄物処分業」の許可を正式に受けているかを確認することが大前提です。そのうえで、処理の流れを明確に説明してくれるか、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を適切に発行してくれるかといった、信頼性や透明性も判断基準に加えるべきでしょう。

まとめ

これまで見てきたように、木くずを適正に処理するには、徹底した分別や信頼できる業者選びがとても大切です。しかし、排出量の多い事業者様にとっては、処理を外部に委託し続けるだけでなく、自社でエネルギーに転換するという新たな道も考えられます。

その具体的な選択肢のひとつが、自社でバイオマスプラントを持つことです。木くずを燃料として活用できれば、廃棄コストを大幅に削減できるかもしれません。外部委託と自社処理の両面から検討し、長期的な視点で最適な方法を見つけていきましょう。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

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