直接燃焼発電とガス化発電の違いとは

2種類のバイオマス発電方式「直接燃焼発電」と「ガス化発電」の特徴を説明しています。

それぞれの仕組み

直接燃焼発電

バイオマス燃料を直接燃焼させて、高圧の蒸気が発生させます。その蒸気のエネルギーを利用してタービンを回し、発電させる方法です。

この「蒸気タービン方式」は、小規模発電では効率が低くなってしまうため、不向き。ですが、大規模発電に適しており、幅広いタイプの燃料を利用できるのも特徴です。

ガス化発電

バイオマス発電を、ガス化炉にて高温で蒸し焼きにすると、可燃性のガスが発生します。このガスを発電用エンジンの燃料として使用して発電するのが、ガス化発電です。また、ガス化発電では、発電機を動かす動力を発生させる方式が、次の2種類に分類されます。

ガスタービン方式

発生させたガスで、タービンエンジンを回転させる方式。注意するべき点は、炉の始動・停止を繰り返すうちに、劣化が進んでしまうことです。また、低圧の木質ガス・消化ガスや、熱量が変動しやすく不純物が多く含まれるガスにも適しません。不安定な稼働を解決する方法としては、ディーゼルオイルなどとの混焼が挙げられます。

ガスエンジン方式

発生させたガスで、レシプロエンジンと呼ばれるピストンエンジンを回転させる方式。発電出力を自由にコントロール可能です。エンジンを稼働させるためのガスが木質ガスのみでも安定して稼働できる特徴があります。

4つの視点からみたときの違い

  • 発電規模の適性
    直接燃焼発電は、大規模発電に適しているため、小型システムを用いた場合の採算性は低め。一方、ガス化発電(ガスタービン方式)では、大規模・小規模いずれの発電にも適しています。ただし、ガス化発電の場合でも、1,000kW未満の場合は、採算性が悪くなります。
  • 木質ガスのみによる稼働の適性
    直接燃焼発電には適していますが、ガス化発電(ガスタービン方式)には不向きです。
  • コントロールやメンテンナンスのしやすさ
    直接燃焼発電のほうがガス化発電(ガスタービン方式)よりも有利です。
  • 固定価格買取制度
    ガス化発電(ガスタービン方式)のほうが直接燃焼発電よりも有利です。

ガス化発電(ガスエンジン方式)について

大規模発電には適さないガスエンジン方式ですが、優れた特徴も多くあります。例えば、固定買取価格制度において、優遇されていることです。さらに、小規模での発電効率が非常に高い方式でもあります。そのため、250kW~2000kWの小型システムで、しかも木質ガスのみによる稼働でも、高い採算性を期待できます。

取材協力
バイオマスエナジー社の公式HPキャプチャ
引用元HP:バイオマスエナジー社公式HP
https://www.bme.co.jp/wp/

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