sponsored by バイオマスエナジー社
竹は、バイオマス燃料には不向きだとされてきました。しかし近年の研究により、加工方法を工夫することで、燃料として使用できることが分かっています。竹が利用できないとされる理由と、その問題を解決する技術について、詳しく見ていきましょう。
日本において竹は、食用や竹材用として栽培されてきた歴史があります。しかし需要の減少によって、多くの竹林が使用されず放置されているのが現状です。また、竹は放置しておくと自然の森林に侵食し、他の植物に悪影響を与える恐れもあり、適切な用途を見つけることが望まれています。
バイオマス燃料として使用できればよいのですが、それも不向きであるとされてきました。その理由を解説します。
竹は「カリウム」を多く含んでいるため、灰が溶岩状になってしまう温度(軟化温度)が「680~900度」で、一般的な木材よりも低いという特性があります。
そのため、竹を大型のボイラーで燃焼させると「クリンカ」と呼ばれる溶岩が発生し、焼却炉の耐火材などに張り付いてしまいます。クリンカを剥がす際に、耐火材が損傷し、焼却炉が破損してしまうのです。
また竹は「塩素」も多く含んでおり、これも発電設備に悪影響を与えます。竹の塩素濃度は1,000~5,000ppm(0.1~0.5%)で、一般的な木材よりも高い数値です。塩素は耐火材や伝熱管などを腐食させてしまうため、バイオマス燃料として使いにくい原因となります。
実は竹を低温で燃焼させることで、ダイオキシン類が発生することが知られています。ダイオキシンは、発がん性があるとされる化合物です。ダイオキシン類を発生させないように高温で燃焼させたとしても、200~500℃でダイオキシンが再合成することが分かっています。そのため、対策が必要になってしまうのです。
上記の理由からバイオマス燃料としては不向きとされてきた竹ですが、その問題を解決する技術が開発されました。その技術がどのようなものなのかを紹介します。
とある企業が竹にある処理することで、問題の原因であるカリウムと塩素の濃度を下げることに成功しました。粒径6ミリメートル以下まで小さく粉砕した竹を水に浸すと、カリウムと塩素が水に溶けだします。この水を取り除くことで、竹からカリウムと塩素を取り出すのです。
また、「笹」「雑草類」「杉の皮」など、竹と同様に使用できないと思われていた植物にも、同様の技術が有効であると判明。この技術により、竹などの利用されていない植物を、バイオマス燃料として利用することが可能になりました。
処理を行ったことで、竹から抽出した成分の有効活用に関する研究も進んでいます。竹から抽出した成分を「植物の肥料」として使えるかどうかを検証するため、小松菜の栽培によって試験を実施。竹のカリウムや塩素濃度を下げるために抽出した成分が、植物育成剤として利用できることを確認。このように、竹を無駄なく有効活用できる技術が開発されています。
現段階では、竹をバイオマス燃料として利用するよりも、木質バイオマス燃料のほうがポピュラーではあります。ですが、どちらが優れているというものでもなく、導入したい目的に沿って発電システムを検討するほうが賢明だといえるでしょう。
木を選ばない
唯一無二のプラントを持つ
バイオマスエナジー社
木を原料に温風や水蒸気、バイオマスガスといった新たなエネルギーとしてリサイクルする画期的手法が、木質バイオマス。しかし、これまでバイオマスを燃やすプラントには燃料の制限があり、使いたい木材に対応できないというものばかりでした。
そうしたなかで、どんな木でも燃やせるプラントを誕生させたのが、バイオマスエナジー社です。当サイトでは、唯一無二のプラントを持つバイオマスエナジー社(2019年7月現在)に取材協力を依頼。実際にどんなプラントなのか、そしてコスト削減はどれくらいか。現地取材しレポートにまとめたので、ぜひご覧ください。